栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 フォルクスワーゲン

VW ゴルフ5 エアコンコンプレッサー焼き付きの恐怖

VW ゴルフ5 ヴァリアントのご入庫

ご用命は、エアコンが急に効かなくなったとの事

このモデルの年代で車種問わず多い不具合であり嫌な予感がする訴えです。

故障事例で何回かご紹介しているコンプレッサーの故障が突然起きるからです。故障事例リンク

点検しますとエアコンガスはしっかり入っています、ますます嫌な予感がします。

クランクプーリを回してベルトを動かすとエアコンコンプレッサーの中心のシャフトが回りません。

このコンプレッサーは可変容量タイプですのでプーリーとシャフトは元々一体ですのでプーリーだけ回るということはシャフトとプーリーの弱点部が破断していることを表します。

コンプレッサーが焼き付きシャフトが回らなくなった場合、この弱点部が破断することでプーリーはコンプレッサーと切り離され、空回りすることでベルト切れを防ぎ走行を続けることが出来るようになっています。
※エアコン以外のシステムを正常に作動させ走行不能になることを回避します。

 

問題はここからです、コンプレッサーが焼き付きを起こした場合、完治させるには高額な修理費用が掛かります。

 

エアコンの冷媒システムはこのようになっています。

エアコンガス(冷媒ガス)をコンプレッサーで圧縮して、圧縮ガスの膨張時の気化熱を利用して冷やし、冷やし終わったガスをまた圧縮してを繰り返すのです。

 

コンプレッサーが焼き付いたならば、”コンプレッサーを交換すれば治る”のではないか思われるかと思いますが、コンプレッサーを交換しただけでは一時的に治ったようになりますが、先ほど申した”完治させるには”と言った意味では不十分で再発の恐れがあるのです。

冷媒ガスは回路をぐるぐる回ります、その際ガスだけではなくコンプレッサーの潤滑のためのオイルも一緒に回っています。

コンプレッサーが焼き付きを起こした際は、焼き付いた時に発生した鉄粉が一緒にガスとオイルに交じり回路中にまき散らしてしまうのです!

いくら新しいコンプレッサーに交換したところで、回路に残った鉄粉はやがて通路を詰まらせたり、コンプレッサーに侵入して不具合を再発してしまいます。

 

ではどうすれ良いのでしょうか?  答えはこちらです。

エアコンシステム全体の交換です。

エバポレーターやコンデンサーは内部が複雑に入り組んでいるため内部洗浄は不可能ですし他の部品も洗浄は出来ませんので交換しかありません。

ホースも出来れば交換したいのですが予算の都合もありしつこく洗浄をして不純物(鉄粉)を除去します。

ここまでのことをしない限り、この不具合を完治させることは出来ないため高額な修理費用となり頭を痛めるのです。

 

実際車両からこれらの部品を取り出すにもエンジンルーム・室内共に大掛かりに分解をしなければならず工賃も膨らみます。

このような大がかりな修理になってしまうことはお分かりになられたかと思います。

 

そもそもなぜこのコンプレッサーは焼き付きを起こしたのでしょうか?また防ぐ手立てはなかったのか?ということになるのですが、このコンプレッサーは可変容量タイプと呼ばれるタイプでエアコンのON/OFFに関係なくエンジンと同じだけ回転させられるタイプになります。

内部の弁の開閉で圧縮量を調整してエアコンの効きを細かくコントロールすることが出来るため、性能的には従来のマグネットクラッチを使用した固定容量タイプに比べると優れているため、最近広まってきているタイプです。

ただコンプレッサー本体が常に回り続けていることが今回のような焼き付きに結びついていると思われます。

従来の固定容量タイプはエアコンOFF時はマグネットクラッチは切り離されコンプレッサー本体は回りません。

可変容量タイプはエアコンOFF時でも圧縮はしませんが本体は回され続けてしまいます。

内部は回り続ければいくら空回りとはいえオイルは劣化して潤滑性能も落ちてきてしまいますので最終的に焼き付きに結びついてしまいます。

エンジンオイルの様に定期的にオイル交換ができるものでもありませんので、劣化したままのオイルを使用し続ければこのような不具合が起きてしまうというわけです。

 

唯一、分解をしないでオイルの性能を回復もしくは向上させるのはケミカルメーカーで販売しているようなコンプレッサーオイル添加剤になると思います。

 

 

当店では、定期的にガス量調整を専用機で行い、その際にこのような添加剤を補充することをお勧めしています。

目的は、タイヤの空気の様に少しずつ減っていくエアコンガス量の再調整と、測定の際に一緒に出てくる劣化したコンプレッサーオイルを回収して添加剤を補充することです。

方法は、内部のガスを一旦機械に回収してガス量を測定して減ってる分を補足して規定のガス量を再注入します、その際ガスと一緒にコンプレッサーオイルもわずかに抜けますので補充を兼ねて添加剤を入れるのです。

 

システム的に脆弱ともいえるので、抜本的な解決策ではないともいえるのですが、このようなメンテナンス方法を用いることで少しでもコンプレッサーに負担を掛けないようにして長持ちさせるかが肝になると思います。

もちろんどのタイプのコンプレッサーにも有効なメンテナンスと言えます。

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

ホンダ ステップワゴン(RP3)安全支援システムエラー

ホンダ ステップワゴン(RP3) メーターに警告が次々出てくるとのこと。 警告灯の内容から安全支援システムに絡む故障が起きているようです。 診断機を使用して故障コードを読み出します。 P3000-49 マルチパーパスカメラ内部故障 カメラの内部故障を検出しています。 安全支援システムのカナメであるカメラの故障を検出したため安全支援システムのそれぞれの機能に対する警告灯が次々と出てきたのです。 カメラを交換 新品のカメラを付けなおしただけではこのようなエラーが出てしまいます。 エーミングが終わっていないとい ...

続きを見る

VW ゴルフ7 イグニッションキー回らない

VW ゴルフ7    イグニッションキー回らないとの事で連絡が入りました。 イグニッションキーが回らないことですので、エンジンが掛からないばかりかハンドルを切ることが出来ない、シフトはニュートラルにできない、電動パーキングが解除できない状態ですのでこのような状態での搬送になります。 この故障に関してはゴルフ6のころからよく起きる事象で定番故障になります。 まずはロックユニットアッセンブリーで取り外します。 しかしキーが回らなくなった状態ではここからひと手間掛かります。 それはロックユニットからキ ...

続きを見る

ルノー メガーヌⅣ GT 前方からガタガタ音

メガーヌⅣ GTのご入庫 車両の前のほうからガタガタ何か大きな音がするとのこと。 エンジンルームを開けるとラジエターファンが今にも外れそうなくらいぶれてガタガタしています。 電動ファンのモーター軸がぶれてガタついているのが原因ですので交換で対処する必要があります。 しかしモーター交換までが大変な作業になります。 ここまで外してやっとアクセスすることが出来ます。 電動ファンモーターはシュラウドごとの交換になります。 不具合を起こしたファンモーターはこのように激しいゴロゴロ音とガタが発生していました。 htt ...

続きを見る

ニッサン NV350ディーゼル EGRクーラーバイパスバルブ故障

ニッサン NV350ディーゼルのご入庫 車検でお預かりしましたがエンジンルームを点検すると部品の破損を発見しました。 アクチュエータのロッドがポッキリ折れてしまっています。 これはEGRクーラーに付く部品なのですがバイパスバルブをコントロールするアクチュエーターになります。 樹脂製のロッドなので折れてしまっていますが問題はこの先にあるバイパスバルブです。 完全に固着してしまい動かすことが出来ず、この固着によりロッドが折れてしまっているという不具合です。 当然バルブは作動していませんのでEGRクーラーをコン ...

続きを見る

ルノー トゥインゴⅢ 燃料漏れ

ルノー トゥインゴⅢのご入庫 エンジンオイルのご依頼で作業を進めていましたが何かガソリン臭がするため注意深く観察すると燃料タンク付近にガソリンが漏れた形跡があることを発見しました。 しかしこの車両はサービスホールがフロアに開いていませんのでタンクとフロアの隙間からのぞきますがよく見えません。 この部分にあるのは燃料ポンプですので燃料ポンプ自体に何かが起きて漏れているのは間違いありませんので燃料タンクを降ろします。 やはり燃料ポンプ上面にはガソリンが漏れて乾いた茶色い跡があります。 ポンプを取り外すと吐出口 ...

続きを見る

メルセデスベンツ S300h(W222)         アドブルーシステムエラー

メルセデスベンツS300h(W222) アドブルーの警告灯が出たので、アドブルーを給油したが警告が消えず”エンジン始動不可”の走行距離カウントダウンが進んでくるとの事。 AdBlueとは排気ガス中の窒素酸化物(Nox)低減させる尿素SCRシステムに使用する高品位尿素水のことでAdBlue(アドブルー)の商標名で一般的に知られています。 ディーゼルエンジンは窒素酸化物の排出が多いため排気ガスにアドブルーを噴霧することで排気ガス中の有害物質(Nox)の低減をさせるシステムになります。 仮にアドブルーが無くなっ ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅣ ブレーキからゴーゴーする時がある

ルノー ルーテシア(クリオ)Ⅳ 時々、ブレーキを踏んだ時にゴーとすごい音がする時があるがいつも起きるわけではないとの事でご入庫   走行テストを行うと特に異音は感じられません、そこで強くブレーキを踏み込むと突然大きなゴー音とともにざらざらした感じがブレーキペダルに伝わりました。 明らかにブレーキに異常がありますので点検したところブレーキディスクに擦れた跡があるのを確認できました。 ブレーキパッドの残量が無くなりパッドの裏金(鉄製)がディスクローター(鉄製)と接触したため鉄同士の激しい音が出ました ...

続きを見る

ニッサン NV350 エアコン操作不安定

ニッサン NV350 エアコンの風自体が出たり出なかったりする エアコン操作パネルの風量ダイヤルを回すとエアコンの風が出ないところがあり特に2速あたりが酷く、その時にA/Cスイッチのランプも点いたり消えたりします。 A/Cスイッチも切れるのでコンプレッサーも連動して止まってしまうため冷房が効かなくなってしまいます。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20250908_132043.mp4 ブロアスイッチの接触が悪く風が出るときと出ない時があり、その不具合に引っ張られてA/ ...

続きを見る

アルファロメオ155 ディマースイッチ グラグラ

アルファロメオ155 ウインカースイッチがグラグラしてステアリングを切るとカチャカチャ何か引っかかった感じがするとのこと。 コラムカバーを外してみるとディマースイッチ自体が壊れているのではなくスイッチが嵌る部分が割れてしまっています。 この部分はワイパースイッチ・ウインカースイッチ・イグニッションスイッチ・ハンドルロックを一体にする部品なのですが樹脂で出来ているため劣化で割れてしまったようです。 取り外すと粉々に割れてしまっていました。 新品は製造廃止ですので入手は難しいのですが何とか手に入れることで直す ...

続きを見る

FIAT500 ツインエア エンストの意外な原因

FIAT500のご入庫 エンストしたとの事 状況を詳しく聞き出すと信号などで停車しようとしたところ、停車と同時にエンジンも止まってしまったとの事。 入庫時はエンストもなくテスト走行しても特に問題なさそうです。エンジンの自己診断でも特に故障コードの検出もありません。 症状が再現できなかったのですがデュアロジックシステムにエラーが出ていたのでデュアロジックのメンテナンスを行いお返ししました。 しかしその後やはりエンストしたとの事でご連絡が入りましたので再度診させていただくことになりました。 再度よく問診させて ...

続きを見る

-故障修理・整備, フォルクスワーゲン

© 2025 増高自動車工業有限会社