栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 セレスピード・デュアロジック フィアット

FIAT500 レリーズフォーク破損

FIAT500のご入庫

ギアがニュートラルから入らず走行できないとの事

デュアロジックの不具合としてオーソドックスともいえる故障事例です。

まずは診断機を使い故障コードを読み出します。

何と!P060C コントロールユニット(コンピューター)故障と検出しています。

しかし、コントロールユニットは自己診断もつかさどるものです、鵜呑みにしてはいけません。

 

キャリブレーションを行いデュアロジックが機能しているか確認してみます。

すると

 

クラッチストローク不十分となりました。

言葉通りでしたら、クラッチの操作ストロークが足りないためキャリブレーションできないと言っています。

クラッチのストロークが足りないということはクラッチ板の摩耗が考えられます、お客様のお車走行距離10万kmを超えていますので十分考えられます。

お客様とご相談の上、クラッチオーバーホールを行うことになりました。

クラッチはご覧のような状態でした。

 

リベットがもうすぐ出てしまうほどクラッチ板は摩耗しています。

 

クラッチカバースプリングのベアリング当たり面もかなり摩耗しています。

このようにクラッチ板の溝も無くなっていますし、クラッチカバースプリングとレリーズべアリングの当たり面もかなりすり減っていて部品の限界は迎えていました。

 

しかし、他にも今回の不具合を引き起こす原因の限界を迎えた部品がありました!!

レリーズベアリングを押すフォークという部品です。

右側のシャフトが不具合を起こしたものです、よく見てみると!

曲がってひびが入っています!

右側は くの字に曲がってしまっています!

 

これではレリーズベアリングをうまく押すことが出来ないためストローク異常を検出するのは当然です。

原因はレリーズベアリングの摺動が上手くいかずに動かないところを、デュアロジックユニットがクラッチを無理やり切ろうとしたことだと思います。

 

正常な状態ではこのように動作しています。

手で動かしているところがデュアロジックがクラッチを切るときに押すところです。

レリーズベアリングがスムーズに動いていればそんなに負担は掛から無いところです。

 

デュアロジックの不具合で何度か取り上げているクラッチ不良ですが、このクラッチ自体はマニュアル車と同じものを昔から使っています。

デュアロジックはギアを入れて停止しているときはクラッチを切ったまま(ベアリングを押している状態)で待機しています。

マニュアル車でしたら運転手が疲れるのでニュートラルにしてクラッチを開放するためベアリングの負担はなくなります。

デュアロジックになったからといって強化されているわけではないところがイタリアらしい感じがします。

クラッチをオーバーホールして不具合は解消し、故障コードP060Cコントロールユニットも拾わなくなりました。

様々なところで一筋縄に行かないデュアロジック不具合、故障探求も大変です。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

ニッサン NV350ディーゼル EGRクーラーバイパスバルブ故障

ニッサン NV350ディーゼルのご入庫 車検でお預かりしましたがエンジンルームを点検すると部品の破損を発見しました。 アクチュエータのロッドがポッキリ折れてしまっています。 これはEGRクーラーに付く部品なのですがバイパスバルブをコントロールするアクチュエーターになります。 樹脂製のロッドなので折れてしまっていますが問題はこの先にあるバイパスバルブです。 完全に固着してしまい動かすことが出来ず、この固着によりロッドが折れてしまっているという不具合です。 当然バルブは作動していませんのでEGRクーラーをコン ...

続きを見る

ルノー トゥインゴⅢ 燃料漏れ

ルノー トゥインゴⅢのご入庫 エンジンオイルのご依頼で作業を進めていましたが何かガソリン臭がするため注意深く観察すると燃料タンク付近にガソリンが漏れた形跡があることを発見しました。 しかしこの車両はサービスホールがフロアに開いていませんのでタンクとフロアの隙間からのぞきますがよく見えません。 この部分にあるのは燃料ポンプですので燃料ポンプ自体に何かが起きて漏れているのは間違いありませんので燃料タンクを降ろします。 やはり燃料ポンプ上面にはガソリンが漏れて乾いた茶色い跡があります。 ポンプを取り外すと吐出口 ...

続きを見る

メルセデスベンツ S300h(W222)         アドブルーシステムエラー

メルセデスベンツS300h(W222) アドブルーの警告灯が出たので、アドブルーを給油したが警告が消えず”エンジン始動不可”の走行距離カウントダウンが進んでくるとの事。 AdBlueとは排気ガス中の窒素酸化物(Nox)低減させる尿素SCRシステムに使用する高品位尿素水のことでAdBlue(アドブルー)の商標名で一般的に知られています。 ディーゼルエンジンは窒素酸化物の排出が多いため排気ガスにアドブルーを噴霧することで排気ガス中の有害物質(Nox)の低減をさせるシステムになります。 仮にアドブルーが無くなっ ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅣ ブレーキからゴーゴーする時がある

ルノー ルーテシア(クリオ)Ⅳ 時々、ブレーキを踏んだ時にゴーとすごい音がする時があるがいつも起きるわけではないとの事でご入庫   走行テストを行うと特に異音は感じられません、そこで強くブレーキを踏み込むと突然大きなゴー音とともにざらざらした感じがブレーキペダルに伝わりました。 明らかにブレーキに異常がありますので点検したところブレーキディスクに擦れた跡があるのを確認できました。 ブレーキパッドの残量が無くなりパッドの裏金(鉄製)がディスクローター(鉄製)と接触したため鉄同士の激しい音が出ました ...

続きを見る

ニッサン NV350 エアコン操作不安定

ニッサン NV350 エアコンの風自体が出たり出なかったりする エアコン操作パネルの風量ダイヤルを回すとエアコンの風が出ないところがあり特に2速あたりが酷く、その時にA/Cスイッチのランプも点いたり消えたりします。 A/Cスイッチも切れるのでコンプレッサーも連動して止まってしまうため冷房が効かなくなってしまいます。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20250908_132043.mp4 ブロアスイッチの接触が悪く風が出るときと出ない時があり、その不具合に引っ張られてA/ ...

続きを見る

アルファロメオ155 ディマースイッチ グラグラ

アルファロメオ155 ウインカースイッチがグラグラしてステアリングを切るとカチャカチャ何か引っかかった感じがするとのこと。 コラムカバーを外してみるとディマースイッチ自体が壊れているのではなくスイッチが嵌る部分が割れてしまっています。 この部分はワイパースイッチ・ウインカースイッチ・イグニッションスイッチ・ハンドルロックを一体にする部品なのですが樹脂で出来ているため劣化で割れてしまったようです。 取り外すと粉々に割れてしまっていました。 新品は製造廃止ですので入手は難しいのですが何とか手に入れることで直す ...

続きを見る

FIAT500 ツインエア エンストの意外な原因

FIAT500のご入庫 エンストしたとの事 状況を詳しく聞き出すと信号などで停車しようとしたところ、停車と同時にエンジンも止まってしまったとの事。 入庫時はエンストもなくテスト走行しても特に問題なさそうです。エンジンの自己診断でも特に故障コードの検出もありません。 症状が再現できなかったのですがデュアロジックシステムにエラーが出ていたのでデュアロジックのメンテナンスを行いお返ししました。 しかしその後やはりエンストしたとの事でご連絡が入りましたので再度診させていただくことになりました。 再度よく問診させて ...

続きを見る

Jeep ラングラー(JL)フロントドライブシャフトブーツ破れ

Jeep ラングラー(JL) 他店で車検を受けたがドライブシャフトのブーツが破けていて車検に合格できないのでどこかで直してきてほしいと言われたそうです。 下回りを除くとフロントドライブシャフトブーツが破けてグリスが飛び散っています。 しかし問題はもう片方のドライブシャフトでした。 完全にブーツが無くなっています! いくら破けたといっても飛んで無くなってしまうということはありませんので故意に外されたのか何か応急で対策したのが取れてしまったものと思われます。 ドライブシャフトブーツは破けただけでも中のグリスが ...

続きを見る

アウディA6オールロード(C7) エアサスペンション連続故障

アウディA6 オールロード(C7) 長時間駐車後、後輪の車高が左右で違い車体が傾いているとの事。 エンジンを掛ければ車高はそれぞれ安定します。 この車両はエアサスペンションのため空気の圧力でベローズを膨らませてバネの代わりにしています。 後輪のベローズがスローパンクしているため空気バネが保持できず、少しづつ空気が抜けて車高が下がったことが原因です。 ベローズはこのような形をしていて簡単に言うと風船のようなものです。 いつものようにベローズを交換したのち姿勢変化が起きないことを確認して作業終了です。 同様の ...

続きを見る

マツダ ボンゴ バン(SLP2V)エアコン効かない

マツダ ボンゴ(SLP2V) エアコン(冷房)が効かず、エアコンスイッチを入れるとカチンカチンという音がするとの事。 まずは問診をします。 ・エアコンガスは他店で調整してもらったが症状は変わらず。 ・高速道路など一定速である程度速度が高いと冷たい風が出る。 上記の状態であるとのこと。 点検を始めます。 ガスは他店で調整しているとの事なのでひとまず信用してコンプレッサーの作動状態を確認します。 するとマグネットクラッチはオンして繋がりますがすぐに切れてしまいます。しばらくするとまた入りますが止まってしまいま ...

続きを見る

-故障修理・整備, セレスピード・デュアロジック, フィアット

© 2025 増高自動車工業有限会社