FIAT 500のご入庫
ご用命は、”1速から変速しなくなった”との事
こちらのお車、デュアロジックと呼ばれるオートマチックマニュアルミッション(AMT)ですので自動変速で走行することが出来ます。
しかし、入庫時1速から変速を全くしませんでした、診断機をつないでも特に故障コードは検出しません。
そこで、デュアロジックユニットが正常に動くか診断機のキャリブレーション機能で変速するか試してみます。
※キャリブレーション機能では、自動的にすべてのギアに変速を行いながら学習を行いますので機能点検も兼ねることが出来ます。
キャリブレーションを行うと何も問題無くすべてのギアに変速を行います、それにこちらのお車は半年ほど前にクラッチのオーバーホールを行っていますのでクラッチ機能も正常と判断できます。
クラッチもデュアロジックユニットも正常であると考えられると残るはトランスミッションコンピュータです
コンピューターユニットを交換してみると何事もなかったように正常に走行できるようになりました。
自己診断もコンピュータ自身が行っていることですので、コンピューターが故障した場合はあてになりませんので故障コードが出ないのもうなずけます。
デュアロジックの故障修理の事例を今までたくさんご紹介していますが、シンプルなシステムのわりに構成部品すべての信頼性が低いことでデュアロジック自体の信頼性も落としてしまっているようです。
デュアロジック故障事例リンク
元々、マニュアルミッションからの派生モデルであるため基本的な設計自体もデュアロジックでの使用に耐えられない部分もあります。
とはいえ、これだけ多くのデュアロジック車両が走っていますので悪者扱いせず、いろいろ手を尽くしてかわいがってもらいたいものです。