メルセデスベンツC200(W205)
朝になると駐車場で車体後方が傾いているとの事。
この車両は4輪エアサスペンション車両で、傾きはエンジンを掛けると直るということからエアサスペンションのベローズからのエア漏れが考えられます。
後輪のサスペンションバネであるベローズ(エアスプリング)から少しずつ空気が抜けることで車体が沈み込み傾きます、エンジンを掛けるとエアポンプも作動して空気を送り込むことで車両姿勢は正常に戻ります。
後輪のベローズを交換します。
見た目では何ともありませんが石鹸水を掛けてエア圧を加えると・・・
複数個所から漏れているのがお分かりになると思います、ゴム自体が劣化してヒビが細かくあるためそこからエアがわずかに漏れ出すスローパンクを起こしているのです。
わずかな漏れのため急激にエア圧が下がることはありませんが、一晩放置するようなシチュエーションでは少しずつエアが漏れることで車高に変化が出ます。
パンクもなく空気圧を保持できるということは空気圧を作り出すポンプの負担も減ります。
逆に言えばわずかなパンクでも放置し続けるとポンプに負担が少しづつ蓄積させてポンプ自体も壊れやすくなってしまいますので注意が必要です。
スローパンク初期の段階では、エンジンが掛かればエアポンプも作動するので姿勢もすぐに整ってしまい気が付きづらい不具合となります。
スローパンクではなく完全にパンクしてしまうとこのような状態になります。いくらポンプで空気圧を送り込んでも漏れてしまいます。 リンク
エアサスペンションは乗り心地や車両姿勢を整えるという意味では非常に優れたシステムと言えますが、このように必ずパンクするシステムとも言えますので日ごろから駐車姿勢など観察することも必要です。