メルセデスベンツ E350ステーションワゴン(W211)のご入庫
エアサスが壊れたので診て欲しいとのご連絡。
こちらのお車ステーションワゴンで後輪のみエアサスペンション(エアマチック)を搭載されている車両なのですが、エアサスの故障と言われ真っ先に思いつくのが車高がペタペタに下がってしまう症状です。
バネにあたるベローズがパンクしてしまえば車高が下がりきってしまい、搬送するのも難しいですし高額な修理になってしまうことが想像できます。
しかし、お客様から症状をよくお聞きすると車高は下がっておらずどちらかというと少し車高は上がりバネがきつく跳ねるような感じになっているとの事で想像している故障とは少し違うかもしれません。
入庫して車体を拝見すると確かに沈み込んでいるわけではなくむしろ後ろの車高が高くなっているように見受けられます。
それにメーターにはエアマチックのエラーも出ています。
診断機にて故障コードを読み出すとエアマチックプレッシャーリリーフバルブ断線を検出していました。
これはエアサスペンションの空気を抜くバルブの断線故障を表しています。
このバルブでエア圧を抜くことで車高をコントロールする役目なのでここがうまく作動せず空気圧が高くなっているのではないかと想像できます。
このバルブの位置を調べるとエアーサスペンションのポンプに取り付けられているようですので、まずは現物を点検することします。
エアマチックポンプは左前輪フェンダーライナーを取り外すと姿を現します。
よく見るとコネクターの配線がフェンダーライナーに強く接触していて何か違和感を感じます。
配線を動かすと断線していました。
フェンダーライナーと配線が強く接触したことが原因で断線してしまったようです。
配線を修理して組みなおすと故障コードも消えて車高も正規の高さに戻りました。
エアサスの空気圧も正常にコントロールされているようで、走行中の後輪の跳ね上がりも解消しました。
エアサスペンション関係の修理は高額になることが多く非常に頭を悩ますことが多いのですが、今回は配線修理のみの軽微な修理で解消したため不幸中の幸いの事象でした。