ホンダ シビック ハイブリッド(FD3)のご入庫
ブレーキを踏むたびにサイドブレーキのランプが点くとの事。
このブレーキ警告灯には複数の意味があります。
①サイドブレーキが作動していることを知らせる。
②ブレーキフルード量の低下を教える。
この二つの警告が一般的なものになります。
しかしこの車両の場合、サイドブレーキを作動していない時でもブレーキペダルを操作した際にこのランプが点灯しますし、ブレーキフルード量ももちろん適量ですので、ほかに何か原因があるようです。
ブレーキを踏むたびにモーター音が頻繁に聞こえ大きな気がすることも気になります。
この車両はハイブリッド車で従来のブレーキ油圧システムとは違い、油圧ポンプを使用してブレーキ油圧つくりそれをコントロールする仕組みになっています。
診断機を使用して故障コードを読み出してみます。
ECU電圧低下:61
ECU内部故障2:66
F-CAN通信データ異常:86
ブレーキECUに関する不具合を検出していました。
ブレーキシステムは大きく分けて、サーボユニットとパワーユニットという部品に分かれます。
マスターシリンダーと一体のサーボユニット
パワーユニット
このどちらかのユニットに不具合の原因があるようなのですがどうも故障探求の手立てがあまりなく、メーカーではどちらも同時に交換する方法をとるとの事。
しかしこの部品非常に高額であるため一度に同時交換するのであれば、車両の買い替えも視野に入れて考えなければならないほどの値段になってしまいます。
そこで中古部品を見つけることが出来たのでそれを使用して交換することにしました。
症状の中で気になるのがブレーキペダルを踏むたびにポンプが回るのですがその音が大きすぎる気がすることと、頻繁に回ることが気になったためサーボユニットの交換をすることに決めました。ECUの不具合を検出しているので不安は残りますが・・・
結果として不具合は解消しました。
考えられる原因としてこの黒い丸い球体アキュムレーターと呼ばれる蓄圧装置になるのですが内部のガスが減少すると蓄圧がうまくいかずポンプが頻繁に回るようになったり、圧を使用したときに圧力が足りなくなったりします。
ポンプ作動音も交換後はたいへん静かになったことからポンプ自体にも痛みがあったのだと思います。
今回、故障探求をするうえで故障コードをもとに進めていくとECUのエラーを検出していたのでサーボユニットが怪しいと思われましたがそれは違いました。
症状をもとに交換個所を決めたのですが賭けであったのは間違いありません。
各方面に故障探求のアドバイスをもらいましたが、どうもこの時代のホンダ車の知見がある方も少なくメーカーでもそっくり交換するしかないといわれるばかり。
中古部品を入手できなかった時や交換箇所の選択ミスなど、想像すると恐ろしくなる事案でした。