AUDI TTクーペ クアトロ(8J) 車検でのご入庫
10万km以上走行していますこちらのお車、メンテナンスも各部行わなければいけませんが基本となる油脂類の交換をご紹介します。
クワトロと呼ばれるこちらのグレードは4輪駆動になりますので駆動力を後輪に伝えるトランスファと後輪の駆動力を左右に分配するリアディファレンシャルと呼ばれるギア(歯車)のセクションがあります。
ギアを使用しているところは油脂で潤滑されていますので定期的な交換が必要になります。
下記のような配置になっています。
まずはトランスファー
次にリアのディファレンシャルギアのオイル交換。
このようなギアセクションのオイル交換は国産・輸入車共に難しい作業ではありません。
しかしクワトロ(4WD)には後輪への駆動力をコントロールするハルデックス社製のカップリングシステムがリアディファレンシャルに搭載されています。
この車両には4世代目のハルデックスシステムが搭載されています。
ハルデックスは電動ポンプで造った油圧を湿式多板クラッチを利用して後輪にかかる駆動力をリニアにコントロールするのですが、作動油は1Lに満たない量で駆動しているため非常に負担が掛かるシステムです。
ハルデックス社では定期的なメンテナンスを推奨しているようですが、なぜかVWグループではこの部分のメンテナンスを推奨しておらず内部フィルターも国内では供給されていないようです。
ハルデックスフルードを抜き取ります。
抜き取ったオイルはやはり真っ黒です。
内部にはフィルターがありますので交換しますがやはりこちらも真っ黒です。
電動ポンプにはストレーナーがありますので外して清掃しますがこちらはそれほど汚れていませんでした。
ボルボなど他メーカーでも多く採用されているハルデックスですが、自動車メーカーではあまりメンテナンスの指示がないのは不思議なことです。
今回は国内に部品はありませんでしたので海外から取り寄せてでの整備となりました。