プジョー3008のご入庫
エンジンオイル交換をご依頼いただいたのですが、その際に冷却水漏れを発見しました。
このエンジンはプジョー・シトロエン・BMW(MINI)など多くの車種にも搭載されている1.6Lガソリンエンジンです。
漏れ箇所はウォーターポンプからで、ウォーターポンプを取り外してみるとポンプ本体に亀裂が出来てそこから漏れだしていました。
ハウジングは樹脂製ですのでこのようなことが起きたのでしょう、社外品のポンプはアルミ製です。
このエンジンのウォーターポンプ駆動は、フリクションプーリーを介して動かしていて冷間始動時などはウォーターポンプ自体を回さないようにして暖機を促進するシステムになっています。
※エンジン始動直後にフリクションプーリーが離れて左上のウォーターポンプが回らなくなります。水温が上がってくるとまたフリクションプーリーが接触して回すようにします。
欧州では冷間始動時の暖機促進を行うことで排気ガスなどの排出を抑えるよう環境基準が厳しいのでこのような複雑なシステムが求められます。
VW社でのコントロール事例 リンク
従来のウォーターポンプのトラブルはベアリングの異音や軸部分のシールからの冷却水漏れが一般的で、ハウジングは金属製でしたので今回のような漏れ方は考えられませんでした。
樹脂の性能が向上したため金属から置き換えられる割合が増えてきたのですが、やはり経年的に劣化しやすく今回のような割れも起こしやすいため、ウォーターポンプに限らず今まででは考えられないような不具合が増えてきました。