アルファロメオ GTのご入庫
エンジン不調でのご入庫
このエンジンは2.0LのJTSと呼ばれる直噴エンジンユニットになります。
他店でミスファイヤーの指摘を受けたが、原因が点火系ではないので大きな修理が必要だとの診断を受けたそうです。
当店でも診断機を使用して故障コードを読み出してみても、前出の診断通り1番シリンダーのミスファイヤー(失火)を検出しました。
ミスファイヤーの検出はエンジントルクの変動で読み取るのですが1番シリンダーが何かしらの理由でうまく爆発していないことになります。
エンジンが回るためには良い火花・良い燃料(空燃比)・良い圧縮の3要素が重要になります。
3要素の点検を進めていきます。
①良い火花:スパークプラグに強くスパークしていることが確認できましたのでひとまずOKです。
②良い圧縮:圧縮測定を行い4気筒とも圧力のばらつきもありません。
残るは良い燃料(空燃比)となりますが、直噴エンジンで1番シリンダーだけ失火が起こっているので高圧ポンプなどのおおもとの燃圧は異常ないと判断できます。
残るはインジェクターですがこのエンジンの直噴インジェクターにアクセスするのは非常に困難です。
インテークマニホールドを外してアクセスするのですがその取り外しもかなり大変な作業になります。
お客様と相談の上、インジェクターを4本新品に交換することにしました。
外したインジェクターの洗浄等を行ってもよかったのですが走行距離17万kmに達しているので電気的な故障が今後起きる可能性も在りますので予防整備も含める意味で新調することになったのです。
取り外したインジェクター
外見上問題ありませんがノズル先の汚れも酷いため噴射が上手く行われなくなったと思われます。
新しいインジェクターに交換してみると、17万km走行しているとは思えないほど安定してエンジンが回るようになりました。
やはり直噴インジェクターの噴射不良が原因でした。
直噴のインジェクターはメーカー問わず高額であることから故障の際は非常に難しい事案になることが多いです。
※車両の維持と修理代をはかりにかけるという意味で・・・
今回こちらのお客様、別に新車を購入したにもかかわらず愛着のあるこのお車を手放すことが出来ず修理を行うことを決断しました。
修理後は元気になった愛車を見て非常に喜ばれていました。