前回、ご紹介したアルファロメオ155 V6のエンジンルーム内の整備の続きです。
クラッチも滑り始めていましたので、当然クラッチキットを交換します。
レリーズベアリングは、ゴロゴロして全く油脂が無い状態ですし、クラッチスプリングに押し付けすぎてスプリングと一体になってしまっている状態でとっくに交換時期は迎えていたようです。
ベアリングをのせているのではなく外れなくなっているのです。
ミッション側もレリーズベアリングが摺動するガイドが異常なほど摩耗してしまっていました。
この部品は製造廃止になっていますので程度の良い中古品を見つけ中のオイルシールを交換して組み付けました。
長期にわたる摺動で磨耗による段差が酷いです。
エンジンの後部のクランクシャフトのオイルシールも交換です。
ミッションを外さなければ交換できない場所ですので丁寧に交換を進めます。
このような作業を実施したのちパワーユニットを車両に戻します。
V6エンジン搭載車両は車上でのメンテナンスが行いづらく、今回の様に傷みが進んでいることが多いです。
整備終了後、エンジンルームは見違えるように綺麗になりました。
作業前
作業後
イタリア車はエンジンルームも美しいデザインの車両が多いのですが、綺麗なことは美観だけではなく漏れなどのトラブルを早期に発見するにも重要なことです。
今回は大手術を行いかなり良い状態まで回復することが出来ました。
年式の古い車両では大きな整備の場合思いもよらない追加が発生したり、製造廃止部品に悩まされ時間もお金も掛かるものですが、オーナー様の熱意と協力を得ることで成し遂げることが出来ました。