アルファロメオ ジュリエッタ クワドリフォリオベルデのご入庫
ご用命は、”クラッチが切れない” ”クラッチペダルに節度がない”との事
クラッチペダルを踏んでも奥に行ったまま戻ってきません。
この車両のクラッチコントロールは油圧式が採用されていますが、エアが噛みこんで節度が無くなっているようです。
クラッチフルードは、ブレーキフルードのタンクと兼用していて、クラッチマスターシリンダーに供給しているのですがタンクのフルードレベルが下がっています。
クラッチの油圧システムのどこからか漏れているようなので、フルードを補充してクラッチのエア抜きを行ってみます。
すると、エンジンとミッションのつなぎ目からフルードが漏れ出してきました。
これは、ミッションのベルハウジング内にあるクラッチレリーズシリンダーが漏れているということになるのですが、この中を見るにはトランスミッションを外さなければ見ることが出来ません。
トランスミッションを下ろし点検してみるとレリーズシリンダーの後ろ側からフルードが漏れ出しています。
レリーズシリンダーとベアリングが一体になっている構造で、セントラルスレーブシリンダーやコンセントリック スレーブ シリンダーなんて呼び方をするようです。
シリンダーのカップがめくれてフルードが漏れてしまっていました。
クラッチが切れなくなった原因はこのシリンダーからフルードが漏れ出して油圧回路にエアが噛みこんだことで動作できずに切れなくなりました。
ここまで大掛かりな作業ですので同時にクラッチ本体も交換をします。
クラッチディスク自体はまだ寿命に達していませんでしたが、この時にしか交換できませんのでセットで交換します。
スレイブシリンダーがこのようにベルハウジング内にセットされているタイプは、レバーを介さないためベアリングを真っすぐ押すことが出来たり、部品点数を減らすことが出来てコスト削減も出来るようですが、このように油圧トラブルが発生した場合はミッションを取り外さなければ修理できないというデメリットがあります。