栃木県宇都宮市の整備工場
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故障修理・整備 アルファロメオ

アルファロメオ 155 V6 オーバーヒート

アルファロメオ 155 V6のご入庫

ご用命は、”水温計が気が付いたら120℃になって煙が出た”とのこと

入庫時は、冷却水のエキスパンションタンクがぐつぐつ煮立った状態でオーバーヒートしています。

しかし、こんな状態にもかかわらずエンジン冷却用の電動ファンが回っていません。

この時代よくあったのが、電動ファンの電流が大きいためリレーが壊れたり配線が焼けたりしたことが非常に多かったのです。

リレーボックスを開けてみると・・・

!!!

真っ黒焦げで火災状態です!

これでは、電動ファンへの電源供給は無理ですので回らないはずです。

リレーボックスの修理をすることになりました。

リレー自体はすべて新しいものに替えますがここまで熱が入った場合、コネクタの刺さるメス側の端子も焼きが入り今後接触不良が起こる可能性がありますのでメス端子も交換します。


これだけの数使っているのですが、接触不良が起こればそこが抵抗になり発熱します、さらに抵抗が増え発熱量が上がれば今回のようなことが再発してしまいますので手を抜くことはできません。

 

もう一つ気になるところで、このリレーボックスにはヒューズも備え付けられています。

電動ファンの純正ヒューズはプレートタイプの40Aとかなりの大容量です。

前オーナー様はこれをブレードヒューズにしてバイパスさせていました。しかし、40Aの容量のところに30Aのブレードヒューズをつけていたので当然ファンが多く回る猛暑時にはヒューズは飛んでしまいます。

ヒューズが切れればその時点で通電は止まるはずなのですが、配線の問題もあったのかしれませんがショートを起こし燃えたようです。

この方法はNGです。

 

ねじ止めのプレート型ヒューズを交換可能な差し込みタイプに交換すること自体は問題ないのですが、容量をまず設計通りにしなくてはいけませんし、配線もその電流に耐えうるものに替えなければいけません。

それと、ヒューズも種類がありますので適切なタイプに交換しなければなりません。

電動ファンのような大電流で動かすモーターの場合、回り始める際に定格の何倍もの電流が瞬間的に流れますので通常使われるブレードヒューズでは切れてしまうのです。
(そもそもブレードヒューズは30Aまでしか設定がありませんが・・・)

そこで、スローブローヒューズと呼ばれる突入電流に耐えられるヒューズがありますのでそのヒューズを取り付けるように加工しました。

以前の輸入車では、日本のような酷暑で電動ファンが常に回ることを想定していないためかこのようなトラブルは非常に多いのです。(最近のモデルはだいぶ良くなってきています)

今回のアルファロメオ155も当時からこのようなトラブルがありましたし、それと電動ファンモーターも劣化してきていますので新品の時よりも消費電力が増えてしまっている可能性がありますので、設計通りの40Aのヒューズを入れていても飛ぶ可能性があります。

出先でのトラブルですとねじ止めのプレートタイプでは交換が大変ですので、簡単に交換できるように差し込みタイプに変えるのです。

 

イタリア車は壊れるとよく言われますが、日本の風土に合っていない部分もありますので当然のことだと思います。

アルファロメオにあこがれて155を購入なさったばかりなのに、今回のような洗礼を受けてしまいました。

懲りずにまだまだ大事に乗りたいとの事でしたので、今後乗り続けるためのアドバイスを行いました。

”古い車だから”とか”外国の車だから”とあきらめる方が多いのですが、車が未熟だからこそ人が寄り添い面倒を看てあげることで単なる道具ではなく愛着のある道具=愛車になると思います。

壊れたと怒るよりも寛大な気持ちで付き合っていただけると個性のあるお車に輝きがさらに増すと思います、そのような気持ちを持たれている方のお手伝いが出来ればと思います。

 

 

 

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